あなたはアダルトチルドレン

アダルトチルドレン(AC)とは、子どもの頃に家庭の中で「いい子」でいるために無理をしてしまった人が、大人になってもその影響を受け続けている状態のことをいいます。子供の時にのびのびと子供らしく過ごせなかった子供が大人になると、違和感を抱え、生きづらさを感じてしまうことがあります。
アダルトチルドレン(AC)の種類は大きく分けて6つと言われています。
アダルトチルドレンには大きく分けて
ヒーロー、スケープゴート、ロスト・ワン、ケアテイカー、ピエロ、イネイブラーの6タイプがあると言われています。
もちろんこの要素が少しずつ混ざり合ったタイプもあるでしょう。

1. 親の期待に応えようと無理をするヒーロー(英雄)
ヒーローは、勉強や運動、習い事などで、親から良い評価を得られることを最優先するアダルトチルドレンのタイプを指します。外からは頑張り屋、一生懸命で真面目な子と見られることが多く、問題がないと思われがちです。
しかしヒーロータイプが努力をする理由は、自分のためではなく、親に叱られたくない、期待に応えたいという防衛的な気持ちからくるものです。思うような結果が得られなくなるなどの挫折や失敗をした時に、急に心が折れてしまう傾向があります。
2. 家族の不満や鬱憤を引き受けるスケープゴート(いけにえ)
スケープゴートは、ヒーローとは正反対の行動をとるタイプです。徘徊や暴力などの問題行動を起こしたり、学校の勉強を放棄しテストで極端に悪い成績を取ったりするなど、家族での「悪者」の立場を背負うのが特徴です。
悪者の立場であるスケープゴートは、家族の怒りや不満、鬱憤をすべて1人で受け止めます。いわゆる感情の「ゴミ箱」役を作ることで、家族に「この子さえいなければ、家族はうまくいくはずだった」という幻想を抱かせ、家族の破綻を防ごうとします。
家族との関係から離れて目立たず生きるロスト・ワン(いない子)
ロスト・ワンは元々生まれてこなかった子どもとして、家族との関係を断つように存在を消して生きているアダルトチルドレンのことです。
「いない子」として生きていくことで、家族から傷つけられないように逃げようとします。
目立たず、息を潜めて静かに生活するロスト・ワンは、家族からほとんど忘れ去られた存在です。夜になっても帰宅しない、または迷子になったとしても、家族に気付かれません。旅行などの家族団らんにも加わらず、1人でひっそりと過ごしています。
ロスト・ワンはアダルトチルドレンの中でも特異なタイプで、存在感が薄く目立った特徴がない、というのが特徴です。そのため他のタイプよりも、自身がアダルトチルドレンであることを自覚しにくい傾向があります。ロスト・ワンタイプのアダルトチルドレンの多くは、ネグレクト(育児放棄)や過干渉が原因と言われています。
ケアテイカー(世話役)
ケアテイカーは「世話役」というその名のとおり、とても気立てが良く、家族の世話を献身的に行うタイプのアダルトチルドレンです。例えば親の代わりに家事の一切を引き受けたり、弟や妹の面倒を見たりなど、自分のことを後回しにしてでも世話をしてしまいます。
ケアテイカーが自分を犠牲にして過剰なまでに誰かの世話をする理由は、自分の献身によって家族の機能を維持し、崩壊を防ぐことにあります。またケアテイカーとしての役割を全うすることで、自分の存在価値を見出しているからです。
献身的なお世話の見返りとして相手から褒めてもらえたり、感謝されたりすることを求めがちで、世話自体に依存している場合もあります。
ケアテイカータイプのアダルトチルドレンは、社会に出た後も周囲の人に行き過ぎたお世話をしてしまう場合が多く、それが理由で人間関係のトラブルに発展するケースもあります。ケアテイカーの過剰な献身は、他人からは「過干渉」「余計なお世話」と捉えられてしまうからです。
家族の顔色をうかがいながら「道化」を演じるピエロ(道化師・クラウン)
ピエロタイプのアダルトチルドレンは、冗談を言ったり、おどけたりなど、ひょうきんに振る舞うことで機能不全家族の険悪なムードを和らげ、明るい雰囲気を演出します。その役割からマスコットとも呼ばれています。
ピエロは一見、明るくひょうきんな性格に見えますが、あくまで役割を演じているに過ぎません。
「自分がかわいく振る舞わなければ家族が険悪になる」「笑わない、おもしろくない子は嫌われる」と思い込んでいるため、常に人の顔色を伺いながら生活しています。自分が不機嫌になったり、落ち込んだりしているところは決して見せられません。
場合によっては、体調が悪いことさえも隠して道化を演じます。そんな生活を続けていれば、当然大きなストレスがかかるでしょう。ピエロタイプは常に笑顔の仮面をかぶりながら、心の中では涙を流しているのです。
過剰な献身で相手の問題行動を助長するイネイブラー(慰め役)
ケアテイカー同様、自己犠牲によって過剰な献身を注ぐタイプです。イネイブラーの献身は、相手の嗜癖や問題行動を助長し、状況を悪化させます。例えばアルコール依存症の親にせっせとお酒を用意するという行為は、代表的なイネイブリングと言っていいでしょう。
またイネイブラーは人の世話によって、自分自身の問題から目を背ける傾向があります。機能不全家庭において、長男がヒーローやスケープゴート、長女がイネイブラーとして一家の母親代わりをしているケースもあるようです。
この役割もまた、機能不全家庭の中で生き延びるための適応戦略の一つです。しかし、相手の問題行動を支えることで、自分自身も傷つき、苦しみ続けることになります。
自分が「助けること」に固執していないかを見つめ直し、健康的な境界線を持つことが、回復への第一歩です。
機能不全の家庭
また、このような子供が育った家庭を「機能不全の家庭」と言います。家族の中で安心して過ごせなかったり、子どもが本来の自分らしさを出せなかったりする家庭のことです。
「安心して帰れる場所」「困ったときに助け合える場所」であるべき家庭が、機能不全の家庭では、そういった安心感がなく、子どもが無理をしたり、我慢をしたりしながら生活することが多くなります。生きづらさが続いたり、自分らしさがどんなものなのかすらわからない時はそのような自分を見つめ直すのはとても大切なことです。
※カレンダーより予約日をお選びください。リラックスしてお話しできることを心がけてお話を聞かせていただきます。秘密厳守でお話しを聞きますのでご安心ください。
どんなことでも受け止めます。安心できる、ほっとできる優しい休憩室です。
機能不全の家庭で育った子どもの特徴
機能不全の家庭で育った子どもは、幼少期から「家庭の中で生き延びるための戦略」を無意識に身につけます。それが、大人になっても影響を与え続け、仕事や人間関係、恋愛にまで影響を及ぼします。
以下のような特徴が見られることが多いです。
① 過剰な責任感を持ちやすい
- 幼い頃から家族の問題を引き受けることが多かったため、「自分がしっかりしないといけない」と思い込む。
- 大人になっても、他人の問題に必要以上に関わろうとし、自己犠牲的な行動を取りがち。

② 自己肯定感が低い
- 親に愛情を十分に受けられず、「自分は価値のない人間だ」と感じやすい。
- 褒められるよりも、「できないこと」「問題行動」を指摘される経験が多かった。

③ 本当の気持ちを隠してしまう
- 家庭の状況に合わせて「いい子」を演じたり、「何も気にしていない」フリをする癖がついている。
- 自分の本音を言えず、感情を抑え込みがち。

④ 健康的な人間関係を築くのが難しい
- 親との関係が不安定だったため、「他人は信用できない」と思いやすい。
- 恋愛では「尽くしすぎる」「相手に依存する」「相手を信じられない」など極端な関係になりがち。
⑤ 自分の欲求がわからない
- 幼い頃から「自分よりも家族を優先」してきたため、「自分は本当は何が好きなのか」「何をしたいのか」がわからなくなる。
- 趣味や夢を持つことに罪悪感を感じることも。
⑥ 極端な生き方になりやすい
- 仕事に熱中しすぎて燃え尽きる、または仕事が続かない。
- 「完璧を求めて頑張りすぎる」か「すべてを投げ出してしまう」など、極端な行動を取りがち。
機能不全の家庭で育った人が回復するために
機能不全の家庭で育った人は、「子どもの頃の役割」を大人になっても無意識に続けてしまいがちです。しかし、それは「生き延びるための適応」であり、本来の自分の姿ではありません。
回復のために、以下のステップを意識することが重要です。
回復のためのステップ
- 「自分の気持ちを知る」ことから始める
- 悩む人にとって自分と向き合うことはとても辛い場合があります。モヤモヤする「何か」を少しずつ噛み砕きながら消化していきましょう。 - 「役割」を手放す
- 「親の面倒を見なければならない」「完璧でなければならない」などの思い込みに気づく。
- 本当にそれを続ける必要があるのか、自分に問いかけてみる。 - 自分を大切にする選択をする
- 他人の期待ではなく、「自分が本当にやりたいこと」に目を向ける。
- 小さなことからでも、自分を優先する行動を増やしていく。

機能不全の家庭で育ったとしても、大人になってから「自分の人生を取り戻す」ことはもちろん可能です。まずは、自分がどんな影響を受けているのかを理解し、少しずつ「本当の自分」を取り戻すことが大切です。
「本当の自分」に出会うためにあなたについて、たくさん聞かせてください。
※カレンダーより予約日をお選びください。リラックスしてお話しできることを心がけてお話を聞かせていただきます。秘密厳守でお話しを聞きますのでご安心ください。
どんなことでも受け止めます。安心できる、ほっとできる優しい休憩室です。
カウンセラーのハルに聞く、母娘の関係・毒親問題が「話す」カウンセリングで改善する理由
Q: なぜ話すことが母親や毒親問題に有効なのでしょうか?
A: 母親の自己中心的で無神経な言動や独善的な価値観にさらされて育った女性は「自分がどういう人間なのか?」を大人になっても見出せずにいます。
それは、母親ファーストで常に行動していたからで、子供の時に大切な「ありのままの自分」を一番身近な存在である母親に受け入れ
てもらった経験がないまま大人になり、その歪みが、怒りや無気力、過剰な他者依存などの「症状」として噴出します。
子供の時に話したくても話せなかったこと、実は我慢して辛かったことを、表現する、伝えることの一番簡単な手段として、ここ「春の相談室」で実行してみてください。心が毎回少しずつ軽くなっていくのを感じるはずです